その4~独断と偏見に基づくチェコビールの感想~
今回は、「自分的チェコビールの食べログ(飲みログか?)」と銘打って、個人の独断と偏見に基づいて、チェコビールの感想を徒然なるままに書いていきます。
※レパートリーが増えるたびに更新予定。
※長文です。
チェコに滞在して約1ヶ月、飲酒(ビール)を欠かしたことはありません。
すなわち、「私の身体はビールでできている」と言っても過言ではないのです!(ドォン
そんなわけで、独断と偏見に満ちたチェコビールの感想を書いていきます!
しょせんビールは嗜好品なので、「こんなビールもあるのか」とか「こんな味なのか」ぐらいの感想を持っていただいて、チェコビールを飲むときの参考にしてもらえたらなと思います。
もちろん、さまざまな味の好みなどもあるので、自分で一度飲んでみることをお勧めしますよ!
ビールの紹介に移る前に、チェコ(主にプラハ)でのビールに関する基本情報について書いておきます。
チェコのビール事情
まず、ビールの種類として、světlé(light, lagar), černý(dark)の2種類があります。
店などで注文する際には、light か dark かを言えば、伝わります。
light は普通のビール(あるいはラガー)、darkは黒ビールを指します。
観光などでチェコを訪れると、ビールを飲む機会が多いのはおそらくレストランかホスポダ(居酒屋)でしょう。
チェコの人たちは、このようなレストランやカフェ、ホスポダなどで昼から一杯ひっかけることもあります。
これらの店では、300mLか500mLのジョッキ(あるいはグラス)での提供が多いです。
ジョッキが来たら、豪快にぐびぐび飲んじゃいましょう。
ちなみにお値段は、店で飲むとだいたい28Kč(約140円)~59Kč(約240円)です。鳥○族とかより断然安い。
また、狙った銘柄のビールを飲みたい場合、店先に出ている看板にビールの銘柄が出ていることがほとんどなので、これを参考にして店に行けば大丈夫です。
また、店で飲まずとも、缶やビン(いずれも500mL入り)でも売っています。
これは、スーパーやコンビニ、駅の売店などで購入できます。
店で飲むよりも断然安く、安売りされていれば10Kč以下(50円以下)で買えます。
だいたいのものは、12Kč(60円)~30Kč(150円)が相場です。
とはいえ、店で飲むよりも多少味が落ちている感じは否めませんが、手軽に楽しめるので、うれしいですね。
それだけでなく、さらに豪快な形でビールは売られています。
一番下の段をご覧ください。
…なんかでかいの置いてない…???
そう、これは1.5Lのビールペットボトルなのです!!
しかも値札を見ていただいたら分かるように、約40Kč(200円未満)なのです。
これ、日本の1.5Lペットボトルに入った清涼飲料水より安くないですか?(笑)
このように、様々な形でビールを楽しむことができるのも、チェコの魅力!
私は、この安さにかまけて何本もこの1.5Lペットボトルを買ってしまいました…(笑)
さて、いよいよ独断と偏見に基づいたビールの感想に移っていきます!
ピルスナー・ウルケル(Pilsner Urquell, Plzeňský Plazdroj)
言わずと知れた、チェコビールの雄。
現在のビール醸造の主流となっている「ピルスナー」ビールの先駆けです。
正直に言うと、「まぁ普通かな」って感じです(スイマセン)。
でも、これを飲まないとチェコビールを飲んだことにはなりません!
普通とか言いつつめちゃおいしいです(フォローのつもりどっちやねん)。
味としては、ホップの苦みがけっこう効いています。
その割に味はすっきりしており、飲み終わりの感じは爽快です。
プラハの店で飲むと、相場は500mLでだいたい42Kč(約210円)と、少し高めの価格帯のビールです。
Flekovský ležak(ウ・フレクーの黒)
このビールは、ウ・フレクー(U Fleků)という、1499年に開かれた、プラハで最古のビアホールでしか飲めない黒ビールです。
元は修道院だったところで、今では1200人程度を収容できる大ビアホールになっています。
時間帯によっては、アコーディオンや金管楽器を持ったオジサンたちが演奏しに来ているときもあります。
私が行った時も、ちょうどその場面に出くわし、音楽を聴きながらゆったりとこのビールを堪能していました(写真の奥の方に見えますよね)。
味は、普通の黒ビールと比べて、明らかに飲みやすいです。
しかも古くから変わらず醸造されているビールであり、中世のビールの味に思いを馳せながら飲むのも、これまたいとをかし。
黒ビール特有のあの少しローストされた甘みをかなり強く感じることができる一方で、飲み心地は爽快。
ぐびぐびいけちゃいます。
ちなみに、私は黒ビールが大好物なのですが、このビールは個人的には「普通」でした…。
黒ビール特有のクセの強さがあまりなく、すっと飲めてしまったのが原因なのか…。
良くも悪くも万人受けするタイプなのかな、という印象を受けました。
しかし、チェコビールの伝統的な味を楽しむことができるので、GOODです!
お値段は、0.4Lで59Kč(約300円)と、少しお高め。
U Flekůのサイトは以下の通りです。
Staropramen (スタロプラメン)
プラハ市内のSmíchovという地区に工場をもつメーカーです。
この地区に行けば、ビール工場見学もできます!
Staropramenは比較的低価格帯のビールなのですが、だからと言ってまずいわけではありません。
ホップの苦味、ビールのコクを感じることが出来つつも、すっきり飲むことができるためにグビグビいける、これがスタロプラメンの特徴と言えるでしょう。
つまり、コスパ最強。
良くも悪くも、非常に飲みやすく、それゆえにお手軽に飲むことができます。
しかし、ビールに刺激を求める人にすれば、物足りなさを感じると思います。
まあ、ビールなんて水だと思えばいいんですよ、水だと思えば。それか麦茶。
Staropramenは、市内に15店舗展開しているPotrefená Husa(ポトレフェナー・フサ)などで飲むことができ、お値段は500mLで39Kč(約200円)。
Gambrinus (ガンブリヌス)
ビールの神様の名前を冠するビール。
そう、ガンブリヌスとは、ビールの神様なのです。
パッケージに描かれているオジサンがその神様です(ありがたや~)。
草サッカーの試合をしている時に、審判の判断に反感を持った監督が怒り猛っていると、このガンブリヌス神が現れ、「まぁ落ち着けよw」的なことを言ってその場を収め、試合後はみんなでビールを飲むというCMが、テレビでは流れていました。
恐らく、次のようなメッセージを伝えたかったのでしょう。
「ビールは世界を救うのだ」
さてさて、味に関しては、その名に恥じず、かなりおいしいです。
実はこのビール、先ほど紹介したピルスナー・ウルケルと同じ敷地内で造られています(ラベルを見れば工場が書かれているのでわかります)。
同じ敷地で造られているのであれば、UrquellとGambrinusの違いはあるのかというと、あります。
①きりっとした辛さの有無
②ホップの苦みの程度
この2点が違うと、個人的に感じました。
つまり、この2点ともUrquellの方が「強い」ということです。
逆に、Gambrinusは、そこまで自己主張が強くないながらも、しっかりとしたビールの味とホップの苦み、コクを感じることのできる、いわゆる「バランスの取れた」ビールだと言えるでしょう。
価格帯は、Urquellよりもかなり低いです。
私は、このビールは店で飲んだことはありませんが、缶だと、Urquellが28Kčなのに対して、Gambrinusはその約半分の15Kčで買うことができます。
Urquellほどのキレを求めず、かつ安くておいしいビールを飲みたいときには、これが適しているでしょう。
これもコスパ最強。
Kozel (コゼル)
ヤギのマークが目印のビール。
このビールは種類が多く、その中でも黒(Černý、チェルニー)が有名です。
1枚目が黒ビールですね。
この黒ビールの特徴は、一言で言うと「甘い」。
コクと強い甘みが相乗効果を生み出し、非常に強い印象を与えながらも、飲み心地はすっきりという、真逆の味覚を同時に達成しているすごいビールです。
とはいえ、これは好き嫌いがはっきり分かれるのではないかと思います。
人によっては、「これは黒ビールではない」と言ってるようです。
しかし、黒ビールには本来甘みがあり、それがコクとうまく合わさるように砂糖が加えられて味が調節されている、その妙には驚かされます。
是非ご賞味あれ。
ちなみに、缶のお値段は16Kč(約80円)、店では39Kč(約200円)だったと思います。
下の写真は、light のビール。
これは、Urquellに非常に近い味であると、私は感じました。
つまり、強いキレと、ホップの苦み。
Urquellと比べると、ホップの苦みはそこまで強くありません。
日本で言うところの「一番搾り」みたいな感じでしょうか(違うかな)。
個人的には、light の方はそこまで印象は強くなく、やはり黒の方が優れていると思いました。
これは恐らく値段にも表れていて、缶で15Kč(約75円)と、黒ビールよりも低価格となっています。
Budějovický Budvar(ブデェヨヴィツキー・ブドヴァル、バドワイザー・ブドヴァー)
「あれ、バドワイザーってあのアメリカの薄いビールのことじゃないの?」
と思った皆さん、違います!!
これはチェコのチェスケー・ブデェヨヴィッツェ(Český Budějovice)という街で造られているビールです。
アメリカのバドワイザーは、チェコのこのビールがあまりにもおいしいので、名前を借りたのです。
その結果、これら2つの会社で訴訟になりましたが、現在はお互い不干渉になりました。
そのアメリカのバドワイザーとは根本的に異なり、このブドヴァルは、「かなり濃厚」です。
個人的にかなりイチオシのビールの一つです。
コク、キレ、苦み、全てのバランスがうまく取れ、それでいて味はずっしりと濃厚、にもかかわらずゴクゴク飲める。
最高かて。
何度飲んでも、飲むたびに笑顔がこぼれる、そんな幸せになれるビールです。
ちなみに、2枚目は黒です。
これもまたうまい!
黒ビール大好きな筆者からすると、「サイコー」と言わざるを得ません。
ラガーの段階でこれだけ美味いのに、黒ではこれに加えて「ほんのりとした甘み」が感じられ、全体的にまろやかになります。
そしてずっしりと濃厚な味、爽やかな口当たり。
最高かて(2回目)。
最高です。ぜひ現地で飲んでください。
ちなみにお値段は、40Kč前後。
以下のリンクにある店、ウ・メドヴィードクー(U Medvídků)では、これら2種類のビールが飲めます。
この店は、ホテルに併設されており、お値段は若干高め(45Kč)ですが、このビール自体が最高なので文句なし。
そしてレストランの横にはバーがあり、ここではこの店で醸造されているまた別のビール(Oldgott)が飲めます。
私は未体験なので、出来るだけ早くこのビールも飲んでみます。
http://umedvidku.cz/restaurant/
Ferdinand (フェルディナンド)
筆者はこのビールを、強く、強くオススメしたい。
おそらくマイナーなはずである。
そもそもそんじょそこらで飲めるものではない。
しかしそのような知名度にもかかわらず、かなりうまい。
まず、light の方から。
最初に飲んで感じたのは、「ザ・プレミアムモルツをさらにうまくした感じ」という印象である。
すなわち、ホップの強い苦みと香り、それに加えてすっきりとした飲み口で爽やか。
ジョッキを近づけただけで、かなり香り高く、そして口に入れるとキリっとしたキレと、ズンっとのしかかるホップの苦み、それでいて爽やか。
喉を通ったあとも残る、ホップの香り。
最高や。
これだけ自己主張が強くとも、すっきり飲めちゃう不思議。
すべてが秩序立ってまとまっている、まさに小宇宙(コスモ)が、そこには広がっていた。
クサいことを言ってしまいました。
つまり、「最高」なのです。
次に、黒ビールの方。
もうこれはね、飲んだ瞬間あまりのおいしさに笑ってしまいましたわ。
なんだこれ、このローストされて出た強いコク、ほのかな甘み、強いホップの香り、なめらかな口当たり、後味のよさ。
何杯でも飲めちゃいます。
飲むたび笑みがこぼれてしまいます。
先ほど紹介した普通の方とは違い、キレはほとんどと言っていいほどありません。
その代わりに、深い濃厚なコクが口の中に広がります。
まさに小宇宙。
ラガーもあります。
これは、同じ日の3杯目に飲んだので、正直記憶が…(笑)
しかし、light とはまた違って、そこまでキレが強くなく、その代わりにコクが強い印象を受けました。
そしてさらにうれしいのが、そのお値段。
何と500mLで32Kč(約160円)!!
ええんか??ええんか??こんなうまいもんをこんな安くで??
という感じです。
皆さん是非行って下さい。
ちなみに、新市街(Nové Město)のプラハ中央駅のすぐ近くと、小地区(Malá Strana)に1店舗ずつある、Ferdinandaという店で飲むことができます。
ご飯ものもかなり充実しているうえ、おいしいです。
何から何まで最高。
その他
他にもいろいろありますが、個人的にあまり印象に残らなかった、あるいはそこまで取り上げる必要がないかなと思ったものを挙げておきます。
だいたい値段は安く、その辺りで手に入れることができるはずです。
そしてなぜか1.5L or 2Lのペットボトルの写真が目立っているが、気にしないでください。
Krušovice (クルショヴィッツェ)
プラハ市内で造られているビールです。
これもlightとdarkが売られており、個人的にはやはり黒の方がおいしいです。
lightは、舌に乗ったときに、強いコクを感じることができます。
くわえて、ホップの香りも比較的強いです。
のどを通ったあとも、ホップの香りは続きます。
Braník (ブラニーク)
同じく、チェコ市内で造られているビール。
これはびっくりするほど自己主張がなく、したがって非常に飲みやすい。
濃いビールは飲む気分じゃないけど、ビールは飲みたいな。
そんな時にピッタリのビールです。
ちなみに、めちゃめちゃ安いです(安売りでは50円ぐらい)。
Zubr (ズブル)
安いから買いました。
これもBraníkと同じく、全く自己主張がないです。
ただ、喉を通ってからもホップの香りはします。
まとめ
いかがでしたか?
代表的なチェコビールは一通り網羅したつもりです。
何度も繰り返しますが、これはかなり個人の独断と偏見にまみれています。
とはいえこれが、これからチェコでビールを楽しむみなさまの一助になれば幸いです。
みなさま一人一人のおすすめビール、ぜひ探してみてください!
ではでは!